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【転職】なぜ総合商社で若手の退職は増えてきているのか?【起業】

こんにちは。よーく(Twitter)です。

総合商社の業界事情に変化で出てきています。

世間の声
世間の声
最近、総合商社辞める人が増えてきているね。特に若手

インターネット上でも上記コメントをよく見るようになりました。

世間からすると、商社マンに対して高待遇且つグローバルで活躍する華やかな仕事というイメージを持っているので、それを捨てる若手社員が増加中という現実に対して「なんで?もったいない」と思っているのでしょう。

私もその総合商社で働いている社員の一人であり、ほぼ毎月のように誰かしらが辞めていく雰囲気を感じとっています。昔の状況を知らないので比較はできませんが、人事部曰く、最近は退職者が増えてきているのは間違いないとのことです。

では、なぜ辞めるの?そして、辞めて何をするの?という点がみんな気になることだと思います。退職者あからのヒアリング及び私なりの意見を踏まえてお話していきます。

総合商社の退職者は本当に多いのか?

結論から言うと以下です。

世間一般的な退職数で言うと多くはない、しかしこれまでの総合商社の状況と比べるとかなり多い

最近10年程の総合商社における新卒入社数は150人前後で推移しています。ひと世代が10年目になる頃には、同期の1割~2割が退職しているのが平均的な状況なのではと推測します。

この退職者の状況はここ最近の出来事です。以前まではほぼ辞める人はいなく、基本的にほどんどの社員は定年まで働くような環境でした。なので、増加中であることは明らかです。さらに言うと、新入社員の退職者も表れるようになってきたので、会社としては由々しき事態であることは間違いありません。

一方の世間一般論では、新卒入社3年以内に3割が辞めるとも言われているので、それと比べると特別多くはないですね。

では、なぜ辞めるのでしょうか。

総合商社の退職理由とは?

世間一般的な人は、総合商社を辞める理由として以下のように想像すると思います。

給料はいいが、激務そう・夜の接待多そう・社内飲みも多そう・土日ゴルフ多そう。とにかく疲れるし自分の時間がなさそうだから、最近の若者は辞めるんだろうな~

 

上記理由で辞める人はほぼいないと思います。ネガティブ理由の退職は極少数です。加えて言うと、接待費をじゃぶじゃぶ使える時代ではないですし、社内飲みやゴルフの強制もできません。働き方改革のため、残業もあまりできません。ここ最近の環境は、ホワイト企業そのものと言ってもいいくらいです。

では、給料も高いし、ホワイトな労働環境なのに、なぜ辞めるのでしょうか。
大きく3つの理由に分けることができます。

膨大な社内向け業務と調整業務に辟易(楽しくない・市場価値も上がらない)

商社に入る人は、「とにかく自分で商売を作り、商売を回したい」という想いが非常に強いです。そのような働き方ができているという実感が得られない業務が多い故に退職を選択する事例です。

では、具体的にどんな業務内容に辟易したのでしょうか。

社内向け業務について

総合商社に限らず、日系大企業は社内管理用の提出資料が多かったり、新規案件検討時には社内資料を細かく作成し、決裁フローにある各役職者に説明していく必要があったりしますが、この作業があまりにも多く、かつ緻密さが求められるのが総合商社の特徴です。

※どれくらい緻密かと言うと、文章のてにをはやパワポの構成など、個人の趣味によりいくらでも変わり得る箇所の指摘を都度されます(もちろん上司にもよりますが)。

営業部いる限りは、この業務から逃れることはできません。下っ端の間(平均10数年)は自分で手を動かし続けます。四半期ごとに訪れる数字の管理もまたクセモノです。不要な管理は削られていく傾向にありますが。

調整業務について

商社のリソースは「人」です。裏を返せば、メーカーのように技術的ノウハウやモノはありませんし、弁護士・会計士などのような特殊技能もありません。大規模なプロジェクトを遂行する時は、各専門家が結集するわけで、商社パーソンは先頭で音頭を取り専門家達を引っ張っていく立場になります(いわゆるプロジェクトマネージャーというやつです)。

これだけ言うとやりがいはあります。プロジェクトマネージャーは指揮者的存在ですからね
!しかし、担当者である若手は、ミーティングの準備や資料作成で忙殺され、いわゆる指揮者的立ち位置は課長クラスがやります。若手は下作業で忙しいので、そっちのノウハウを吸収する余裕も少ない。加えて、社内会議も多いので若手はさらに忙殺。プロジェクトの進行により、法務・財務・経理・人事などのコーポレートに伺いを立てる必要も出てくるため、この社内調整に時間を取られます(余談ですが、社内調整で時間を要するのは日系大企業の特徴であり、海外パートナーからは呆れられ要素の一つです)。

また、旅行会社のスタッフみたない役回りになることもあります

メーカーなどと海外出張に行く際は、現地でのアポ取り・宿泊及び会食場所の手配・移動手段の確保・国によっては通訳の手配を担当者が行います。ここで結構、無茶ぶりがきたりします。出張先が上海など、現地法人がある場合は駐在員や現地スタッフの協力も得ますが、基本的には本社の担当者が音頭を取ります。

 

役職が付くまでの早くても10年間は、上記の業務が大半を占めます。社内向け資料作成が多いので、ほぼデスクワークです。慣れると単純な作業になりますが、大勢のプレーヤーに挟まれる立ち位置なので、向き不向きが問われます。

前述の通り、商社に入る人は「とにかく自分で商売を作り、商売を回したい」という想いが強いです。商売をしている感覚が得られないと感じ辞めていくのです。

このパターンは、元々起業願望があった若手に多いです。起業する前に、商売を通しで回してみたいから総合商社に入った人たちです。

年功序列・終身雇用に辟易

 

総合商社はまだまだ年功序列・終身雇用です。報酬テーブルはきれいに決まっており、10年目くらいまでは同期横並びの給与水準です。

仕事も成果はもちろん報酬に反映されますが微々たるもの。同期との給与差は残業代と考えるのが現実的です(残業代はフルに出ます)。

そのため、バリバリ働いて、結果を出して、その分たくさん稼ぎたい、という人には適した環境ではありません

「Windows2000」という言葉をご存知ですか。仕事をしていないが高年収の社員のことを言います。総合商社のような年功序列・終身雇用だとWindows2000が生まれます。

若手としては、望まない社内向け業務に忙殺される一方、Windows2000がのうのうとYahoo!ニュースを眺めているのは愉快じゃありません。自分の奮闘が報酬に反映されるなら我慢できますが、年功序列のためそうではありません

加えて、今の20代が50代になる頃には現在のようなホワイト環境(年功序列・終身雇用が崩れる)ではないかもしれないので、自分たちがWindows2000という楽な位置にいけるわけではないと理解しています。

このような状況を冷静に考えた若手は静かに去っていくのです。

本当にやりたいことが見つかった

上述の通り、自分のスキルアップにも繋がらず、報酬が上がるわけでもなく、面白みもない業務をしていると、ふとしたきっかけにより、自分と冷静に向き合う瞬間が訪れるものです。

このままでいいのか?これは自分がやりたいことなのか?本当はどんなことがしたいのか?どんな人生にしたいのか?

このような自問自答です。普段忙殺されているだけだと、自分と対話することはありません。ある意味、マヒ状態にあるので、現状に対して疑問に思うことすらないのです。

何かクリティカルなきっかけが必要なのです。

そのクリティカルなきっかけの代表例が海外赴任です。
以下の理由により海外生活は我々に「自分と対話する」きっかけを与えてくれるのです。

  • 日本を離れることで、日本のこと及び自分の人生を俯瞰して考えられるから
  • 海外は日本社会のようなあくせくな様はないので考える時間と余裕があるから
  • 社内資料は基本的に東京本社員が作るので、時間が生まれるから
  • 残業時間は日本よりも少ないことが多いから
  • 外国人は日本人より人生をトータルに考えていることが多く、彼・彼女らから刺激をうけるから
  • 日本人の駐在員との交流の中で、同じ悩みを共有できるから
  • 現地移住した日本人との交流により、自分も人生と向き合うようになるから

総合商社は20代で海外に行ける可能性が高いので、赴任中に自分が本当にやりたいことを見つけ、赴任中に退職するか、帰任後に退職していきます。

海外赴任経験組の退職率は結構高いです。異国の地で異なる価値観に触れる経験は、自分の人生にかなりの刺激を与えることになるのでこれは納得です。

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それぞれの退職理由に共通することは!?

内部環境が時代の変化のスピードに付いていけていません。

最近になって、働き方改革の潮流に強要される形で徐々に変化してきてはいますが、やはりまだまだ古い体質なのが商社です。

今後も時代に即した変化を辿るのは確実で、年功序列・終身雇用はなくなり、無駄な社内業務や会議も減少していくことでしょう。退職を決めた若者たちもその点は認識していますが、悠長な判断を下せず退職を選んでいくのです。

退職後の進路は?

退職者は皆、清々しい顔で去っていきます。覚悟が決まった顔です。

辞める前、辞めた後も、周囲から「もったいない」と言うセリフを飽きる程聞くことになるのは勿論認識済み。もったいないかどうかは自分が最もわかっています。その上での「退職」と言う選択です。

では、退職後はどのような進路を選ぶのでしょうか。

大きく分けると以下の印象です。

・コンサル・ベンチャー・リクルート・PEファンド・VC・起業or個人事業

進路は多用ですが、「自分でビジネスを作り回していきたい」という想いをもっていることが多いです。少なくても日系大企業を選ぶ人は少ないです。。。辟易してますからね。

商社でも転職を検討することが当たり前になった現在は、新入社員でも転職サイトに登録しています。ちなみに私も新入社員の時から転職サイトは登録しています。

とりあえず転職サイトに登録しておこうという程度なので、王道サービスに登録しています。
商社マンが登録する王道の転職サイトは「ビズリーチ」「リクルートエージェント」「マイナビ転職」
特にリクルートエージェントはまず最初に登録しますね。

一度退職した商社に戻ってくるケースもある!?

一度辞めた社員が、再就職してくるケースがたまにあります。
「転職したけど、やっぱり総合商社の待遇は最高」「個人事業である程度稼いで暇になったら、もう一度商社マンやるか」など色々な想いがあります。

人事からすると、他社からの転職者を採用するよりも、自社への理解がある分ミスマッチが防げるので、前向きな様子です。

退職者や中途採用は今後も増えてくるので、出戻りのケースも増えるでしょう

さいごに

以上、なぜ最近総合商社で若手の退職者が増加しているかについて、現役の私目線で話してきました。

ここ最近、辞め行く人は多いですが、皆会社に感謝していることは間違いありません。
退職した方々と会う機会がたまにありますが、皆引き続き多方面で活躍しています。

総合商社は今後も退職者が増え、中途採用も増えるので、ある意味ハイスペック人材輩出期間のような立ち位置にすらなるかもしれません。

現役の総合商社社員である私も日々真剣に考えていきたいと思います。

York